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■もしも相続の手続きを行わなかった場合どうなるんだろう?!
カテゴリ:箕面市の不動産売却  / 投稿日付:2024/03/11 11:22

もしも、相続の手続きを行わなかった場合はどうなるの?!」
「手続きの期限が設けられている相続の種類とは?!」

このようにお考えの方の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、上記の疑問について解説いたします。
是非、参考にしていただければ幸いです。






■相続手続きを行わなかった場合、どうなるの?!■




・1つ目 不動産の相続登記の問題・

2024年4月1日から、相続登記の申請は以下のとおり義務化が行われます。
相続や遺贈によって不動産を取得した相続人に対して、自己のために相続開始があったことを知り得た、なおかつ、その所有権を取得したことを知り得た日から3年以内に所有権の相続登記(移転の登記)の申請を行うことが義務化されます。
遺産分割によって不動産を取得した不動産物件を取得を行われた相続人については、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容を前提として所有権の移転の登記(相続登記)を申請することが義務付けになります。
正当な理由がなく義務に違反したケースは、10万円以下の過料の適用対象になります。

相続法の改正によって、遺言による相続登記を行わないと、ご自身の相続分をオーバーする部分については、第三者へ自己の所有権を主張することが行えないことになりました。
つきまして、遺言があるので相続登記を行わないで放置しておいた際、知らないうちに他の相続人の債権者などに所有権を主張できなくなる可能性があり、遺言があるケースでも相続登記は可能な限りお早めにお手続きする必要があるでしょう。


・不動産物件の売却ができなくなる

登記を行わなかった場合、第三者に権利を主張することができないため、不動産物件の売買では代金決済と一緒に所有権移転登記をするのが一般的でしょう。
そのため、ご自身の名義の登記を行わない限り、不動産を売却することは行えないことになります。


・不動産物件を担保にした融資を受けれない

もし、何かしらの事情で融資を受ける必要になった際に、不動産物件を担保にしてから金融機関から融資を受けることがあるでしょう。
その際、貸付(金銭の交付)とともに抵当権設定の登記申請を行うことになるでしょう。
抵当権の設定を行っていれば、もし返済が滞り、不動産物件を競売し、債権の回収をしようとするケースは、競売で必要な差し押さえを行うのが容易となります。
そして、抵当権の登記権利者は、他の一般債権者の方に優先し配当を受けることが可能でしょう。
そのため、抵当権設定登記を行わずに、金融機関が不動産物件を担保にした融資を行うことは行うことはできません。
抵当権設定登記では、抵当権者(融資する金融機関)と登記簿上の所有者の方との共同申請で行うことになります。
それゆえに、ご自身の名義の登記がない場合、不動産物件を担保にして融資を受けることはできなくなります。


・罰金(過料)の支払いが必要になるかもしれない

2024年4月1日から、相続時は義務化され、不動産物件を取得してから3年以内に相続登記を行わなかった場合、10万円以下の罰金(過料)が科せられることになりました。
そして、相続登記の義務化と併せて、登記名義人の方の住所や氏名の変更登記も義務化されます。こちらは、変更の日から2年以内に登記していなければ5万円以下の過料の対象です。


・未登記不動産物件のケース

まれに、未登記の不動産物件というのがあります。

未登記でも2種類あります。

・表題登記(表示の登記)は行われているけれど、所有権保存登記(権利の登記)が行われていない不動産
こちらの所有権保存登記は義務ではないため、罰則はありません。

・表題登記をされておらず、完全に未登記の不動産
このケースは、所有権を取得してから(もしくは、表題部の記載事項に変更があってから)1ヵ月以内に表題登記の申請を行わなかった場合、10万円以下の過料に処す、と不動産登記法により定められております。


上記のように、不動産登記が行えなくなると、第三者に先に登記を行われて権利を失ってしまったり、権利関係に問題が起きるので注意が必要でしょう。





・2つ目 預金の権利が失われる・

原則、被相続人の方の預金口座はご逝去されたことが確認されると凍結が行われ、相続人の方であっても入出金はできません。金融機関に対して預金の払い戻し請求を行わないと、預金債権は10年、またはケースによっては5年で時効消滅する可能性があります。万が一、遺産分割協議が長引く恐れがある場合は、注意が必要でしょう。

名義預金に要注意

名義預金は、第三者の方の名義であっても被相続の方の財産とみなされる預金のことです。名義預金は遺産分割の対象につき、相続税が課されることになります。また、申告漏れとして加算税が課せられるケースもあり、注意が必要です。






・3つ目 株式の名義変更ができなくなる可能性・

放置された株が知ったケースには、迅速に名義変更などの手続きが大切です。


・株を勝手に売却されてしまうかもしれない

ご逝去された方が所有していた株式を5年以上放置していると「株主所在不明」扱いとなり、株が競売によって売却が行われたり、会社に買取られたりする可能性があります。
本来であれば、その売却益は所有者の方が受け取れるのですが、所有者の方が死亡し「株式所在不明」となった場合は、売却金を受け取ることができなくなるでしょう。
売却から約5年から10年が経過すると、売却益を受け取る権利を失ってしまうため注意が必要です。


・休眠預金になるかもしれない

最後の取引から10年以上放置されている口座は、休眠預金として扱われるかもしれません。
休眠預金となった場合、預金保険機構で民間公益活動に活用される可能性があります。


・配当金が受け取れないかもしれない

株所有者の方の死亡後から相続が完了するまでの未受領配当金につきましては、相続人の方がご逝去された方に代わって受け取ることが可能です。
ですが、未受領配当金には期限が定められており、3年から5年で設定されていることが一般的であります。
万が一、期限が過ぎてしまうと、配当金が受け取れないこともあり、注意が必要でしょう。


・再び遺産分割協議が必要となり、手間がかかり大変になるかもしれない

株の名義変更の手続きには、遺産分割協議書や相続人の方の全員の同意書・印鑑証明書などが必要になります。

株所有者の方がご逝去の後、時間が空いて株の存在を知ったようなパターンの際、遺産分割協議の対象に株は含まれていないことででしょう。
株のことである分割内容がわかる遺産分割協議書がない場合、名義変更の手続きは行えません。
ですから、再び相続人の方全員で遺産分割協議を行う必要があります。




・4つ目 相続税が滞納状態になる可能性・

相続税の支払いをしないまま滞納状態になった場合、国税庁に財産を差し押さえられることになるでしょう。

相続税の申告期限とは、相続開始もしくは相続開始を知った日から10ヵ月となります。
10ヵ月以降に株が発見され、申告漏れや申告を行わなかったなどがあったケースは「重加算税」「無申告加算税」「過少申告加算税」などが加算されるかもしれません。

「重加算税」
納税義務の自覚があるにも関わらず、相続財産を隠ぺいまたは虚位の申告を行ったケースに課せられる、最も重い加算税になります。
そして、正しく申告を行っていても納税が遅れたケースは、別途「延滞税」が課せられることになるでしょう。
延滞税は期限から延滞する期間が長くなるほど金額が増していきます。さらに、2ヵ月を境に延滞税の税率が異なりますので注意が必要です。

滞納税の税率
・支払い期限の翌日から2ヵ月を経過する日まで年7.3%です。もしくは、特例基準割合+1%の低い割合です。
・納期限の翌日から2ヵ月を経過する日の翌日以降、年14.6%です。もしくは、特例基準割合+7.3%の低い割合です。
(特例基準割合は、財務大臣が年に一度告知する割合に基づいて決定されます)

ですが、税務署は死亡届の提出がされた後に税務調査を行なわれて、配当金の振り込みによって株の存在を認知し、相続開始から6~8ヵ月経過した頃に「相続税の申告に関するお尋ね」が郵便で届くでしょう。
もし通知が届いたら、相続税申告の手続きを進めましょう。


「無申告加算税」
法で定められた申告期限までに必要な確定申告をしなかった場合、納税者の方に課せられる国税のことを指します。だからといって法定期限内に税の納付が行われたケースでも、実際に確定申告を行っていなければ、無申告加算税から避けることはできません。また、正当な理由もなく、法定申告期限を過ぎて申告したケースでは、通常の税額にさらにその15%が無申告加算税として課せられることになるでしょう。多くのケースは税務署の指摘によって行われております。ですが、税務署の調査を受ける前に、、自主的に気がつき申告したケースは、無申告加算税は5%に軽減されます。


「過少申告課税」
期限内に提出を行った申告書の申告納税額が過少であったケースに課せられる加算税の一種のことです。
過少申告加算税のケースは、本来納付すべき税金との差額を納める際、その10%に相当する額が加算されます。ですが、自主的に修正申告を行った際、過少申告加算税は課税は行われません。そして、追加税額のうち「期限内確定申告額」と50万円を比較して、いずれかの多い金額をオーバーする部分について15%の割合で課税されることになっております。


「不納付加算税」
源泉徴収額を法定期限内に完納を行わない場合に課せられる国税です。
税金の納付が遅れた際、延滞税のみだけでなく、「不納付加算税」という税が課せられる可能性もあります。これは、源泉所得税を納付期限内に納付を行わなかったケースに課せられる税金のことです。
また、課税割合が10%から5%に減額が行われるケースもあります。これは自主的に納付を行った場合で、「納税の告知を予知せず、法定納期限後に納付を行ったケース」です。もしも、正当な理由なく1ヵ月以上遅れてしまったケースでも、自主的に納付を行えばリスクの軽減になるでしょう。

未納を放置していた場合、税務署から滞納者の方に対して督促状が送られてくるでしょう。そして、それでも納付を行わず放置をした場合、「滞納処分」が執行されることになります。
滞納処分は、「差押」「換価」「配当」の3つの段階があり、それは、財産を強制的に差し押さえを行われ、公売にかれられてしまい、滞納税額に充てられることになるということです。
この際に差し押さえられる財産は主に不動産物件ですが、場合によっては滞納者の方が所持する動産や有価証券、預金などの債権が差し押さえられるパターンもあります。また、差し押さえが行われる財産は、納税者が選択するのではなく、徴収職員の裁量によって決定されます。




・5つ目 借金を相続してしまう可能性・

相続は、プラスの資産以外ではなく、借金・商売上の買掛金などの債務も一体となって相続を行うこととなります。ですから、借金ばかりであるようなケースには、そのまま相続を行うと多額の返済義務を負うことになります。このようなケースには、相続放棄・限定承認といった手続きを検討することも大切になります。
相続放棄とは、相続の際に被相続人の方の資産や負債など財産の全てに対して権利や義務を一切引き継がずに放棄を行うことです。通常の相続のケースは、資産・負債に関係せず遺産は全て相続をしますが、相続放棄をした際、プラスもマイナスのどちらの財産のいずれも相続人の人が相続は行いません。

相続放棄は、裁判所に必要な書類を提出することで認められることになります。
手続きはご自身で行うことも可能性ですが、手続きには相続があったことを知った時から3ヶ月以内ときげんが設けられております。もし、相続に関することに不安がある場合は、専門家に依頼するのも1つの方法ではないでしょうか。

限定承認とは、相続によって得たプラスの財産を限度とし、マイナスの財産も引く継ぐことです。
まずはプラスの財産を確定させるため、マイナスの財産が少ないパターンは手元に遺産が残ることになります。マイナスの財産が多い際は、プラスの財産を限度としてマイナスの財産を相続するため、プラスマイナスゼロということになります。
限定承認の手続きを行うことで、被相続人の方にどれほど多額の借入や負債があっても、相続人の財産で弁済するというリスクを負うことはないのです。
相続人の方にとって有用な制度である一方で、相続人の方の全員が手続きを行う必要があること、財産目録の作成や清算手続きが手間な事もあり、あまり利用されていないのが実情のようであります。


今回は相続の手続きを行わなかった場合、どうなるのかについての解説でした。



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